#02 ごん狐 新美南吉（ピノコバージョン）
2000年7月2日
そのあくゆ日もごんは、栗をもって、兵十の家へ出かけゆのよさ。
兵十は物置で縄をなっていたのよさ。
それでごんは家の裏口から、こっそり中へはいりますのよさ。
そのとき兵十は、ふと顔をあげゆのよさ。と狐が家の中へはいったではないよのさか。
こないだうなぎをぬすみやがったあのごん狐めが、またいたずらをしに来たな。
「ようし。」
兵十は立ちあがって、納屋にかけてある火縄銃をとって、火薬をつめゆのよさ。
そいれ足音をしのばせてちかよって、今戸口を出ようとすゆごんを、ドンと、うちゆのよさ。ごんは、ばたりとたおれゆのよさ。
兵十はかけよって来ゆのよさ。家の中を見ると、土間に栗が、かためておいてあるのが目につきゆのよさ。
「おや」と兵十は、びっくりしてごんに目を落すゆよのさ。
「ごん、お前やのさのか。いつも栗をくれたのは」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきゆのよさ。
兵十は火縄銃をばたりと、とり落すゆよのさ。
青い煙が、まら筒口から細く出ていたのよさ。
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2000年7月2日
