発見場所
資生堂ピエヌのCM（民放各局）2000年7月
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認定者
なし
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まず最初に、きわめて強力な語尾上げ普及促進活動が開始されたことをご報告しなければならない。敵は女性の憧れ梅宮アンナ嬢を担ぎ上げ、わが反語尾上げ連盟（総勢9名）に挑戦状を叩きつけてきたのである。
ご存じないという方は日曜夜10時半から日本テレビで放送されているおしゃれカンケイのCM時にぜひとも注目していただきたい。資生堂のCMなので他の番組でも見られるが、おしゃれカンケイならば確実である。
問題のCMは梅宮アンナ嬢が新製品の口紅のモニターをしているという設定で、メーカーの人に対して使用感などを述べていくというものだ。私くらいになると語尾上げの出そうな時はもう場の空気や雰囲気などから事前におおよそ察知できるわけであるが、このCMを初めて見た時も嫌な予感がしたのを覚えている。
結果ははたして、たった30秒の間に4回も語尾上げが登場するという史上例を見ない語尾上げ洪水フィルムであった。録画して語尾上げ部分のテープ起こしをしたので、まずはそちらをご覧いただきたい。
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このテープ起こしのために約10回ほど巻き戻し再生を繰り返した。語尾上げ率1回／7.5秒というハードな環境に身を置いているうちにめまいがしそうになったがこれも仕事なので仕方がない。
ただ今回の場合はタレントを使ったCMである。語尾上げも演出のひとつであるという可能性も十分考えられるため、即座に梅宮アンナ嬢＝語尾上げと決めつけてしまうのは危険が大きいと判断した。したがってこのすさまじい語尾上げが彼女の自由意志によるものなのかどうかは今後の調査報告を待たねばなるまい。
それにしても梅宮アンナ嬢が婦女子に与える影響ははかりしれない。この語尾上げが彼女自身から発露されたものであろうとなかろうと、今回の資生堂ピエヌ語尾上げ事件が語尾上げ普及の追い風となり「アンナみたいな話し方、イケてるって感じ？」などと勘違いする人々が街にあふれてしまうことは避けられないだろう。
タイタニックという映画は一見ラブストーリーという形をとっているが実はジェームズ・キャメロンが本当に見せたかったのはSFXの方である、というのはよく知られた事実であるが、同様にこのCMも、一見口紅の宣伝という形をとっているが実は本当に宣伝したいのは語尾上げの方なのではないかと私は密かににらんでいるくらいだ。
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ところでこの種の語尾上げCMへの対抗勢力としては、反語尾上げ派から大いなる喝采をもって迎えられた通販生活の語尾上げ言葉撲滅キャンペーンが記憶に新しい。あのCMは初めてテレビで語尾上げ撲滅を明確に唱えたという点で、初めてインターネットで語尾上げ撲滅をメインコンテンツにした当サイトに匹敵するほど画期的なものであった。
ただ惜しむらくはその構成と出演タレントの渋さゆえ、私とこころざしを同じゅうする一部の人を除き、大多数の人にはいわんとすることが十分伝わってないのではないか、という不安が残ったことである。訴求力という点において通販生活はピエヌに後塵を拝したといわざるを得ないのだ。
次回はぜひ梅宮アンナ嬢のようなポピュラリティのあるタレントを使い、一般大衆にも容易に理解できるような作りにしてほしい。個人的には優香を熱望する。やはりおじさんに「やめろよ〜その語尾上げ」といわれるよりは優香に「やめなよその語尾上げ！」といわれた方がグッとくるというのは小学生でも知っている世の理りなのだ。
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［追記］
奇しくも（でもないか）、7月9日のおしゃれカンケイに梅宮アンナ嬢が出演されたのでさっそく語尾上げチェックのため視聴した。事前に与えられたデータは次の通りである。
■語尾上げ率 1回／7.5秒
■予想される総発言時間 8分
これらのデータをもとに試算したところ番組中少なくとも64回の語尾上げを聞くということがわかった。かなり危険な数値である。したがって当日は心して臨んだのだが、しかしいざ蓋を開けてみると結果は意外なものであった。梅宮アンナ嬢の語尾はまったく上がっていなかったのだ。あれだけのフリートークで語尾が上がらないのだからCM撮影時も目にあまるような語尾上げ癖はなかったと判断していいだろう。ピエヌのCMで見られた激しい語尾上げはどうやら制作側の演出である可能性が高い。
だがそうなってくるとひとつ気掛かりなことがある。ただの演出にしてはあのCMの語尾上げはあまりにも恣意的にすぎるのだ。つまり、口紅の宣伝という形体を隠れ蓑にした語尾上げの宣伝ではないかという私の超大胆な仮説はこれによりますます信憑性を帯びてきてしまったのである。
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