語尾上げは若い人がよく使う、という話をよく聞く。
だが、それが誤りであることは、私がかねてから指摘してきたとおりである。語尾上げは若い人のものではない。嘆かわしいことに語尾上げは今や、若い人どころか、いい歳こいたおっさんとおばさんの寡占状態となろうとしている。
なかでも露骨なのがおばさんである。おじさんも十分ひどいが、おばさんはそれに輪をかけてひどい。どれぐらいひどいか、先日私が千歳烏山商店街、他都内五ケ所で街頭アンケートを行った結果をまとめた（嘘だが）、世代別語尾上げ占有率を御覧いただきたい。
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| しばしば語尾上げで話す | 語尾上げで話す | あまり語尾上げで話さない | 語尾上げで話さない | |
| M1
男性20〜34歳 |
33.8％ | 48.9％ | 15.6％ | 1.7％ |
| M2
男性35〜49歳 |
73.7％ | 24.1％ | 1.4％ | 0.8％ |
| M3
男性50歳以上 |
29.0％ | 33.6％ | 27.8％ | 9.6％ |
| F1
女性20〜34歳 |
37.6％ | 50.3％ | 11.4％ | 0.7％ |
| F2
女性35〜49歳 |
89.1％ | 7.9％ | 2.9％ | 0.1％ |
| F3
女性50歳以上 |
35.7％ | 37.3％ | 19.8％ | 7.2％ |
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この世代別語尾上げ占有率から最も顕著に読み取れるのは、語尾上げがとくにF2層から圧倒的な支持を得ているということである。
なぜこんなことになってしまったのかを論じている時間はないしその必要もない。肝心なのは、おばさんが好んで語尾上げを使用しているというシンプルな事実だけである。そしてこのシンプルな事実は、F2層をターゲットとした語尾上げ撲滅プランを実行すれば、語尾上げ全体の撲滅に相当の効果が期待できることを意味している。
そう。我々が次に為すべきは、他でもない、このF2層をピンポイントでねらった語尾上げ撲滅プランの策定及び実行なのである。
現在F2層と言えば真っ先に思い浮かぶのがヨン様であることは論を待たないが、その他にも適当に思いつくだけで次のものが挙げられよう。
・みのもんた
・氷川きよし
・綾小路きみまろ
・松平健
・栗原はるみ
・三浦りさ子
・VERY
・デューク更家
・ドモホルンリンクル
・日本で人気のある韓流タレント
・渡る世間は鬼ばかり
・おもいっきりテレビ
・TBSはなまるマーケット
・日テレ汐留スタイル
・ピカデリー梅田
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これらを踏まえ、現在私の頭の中ではすでに膨大な語尾上げ撲滅企画が進行中だ。橋田壽賀子先生によるTBSの新たな看板ドラマ「渡る世間は語尾上げばかり」、デューク更家監修による「10歳若返る語尾上げ防止ウォーキング」、日テレ汐留スタイル今週の第一位「ハッピーミセスのアンチ語尾上げライフ」、栗原はるみ監修による「語尾下げすてきレシピ」等々、きりがないのでこのへんにしておくが、このページを御覧の方で、かつ、語尾上げ撲滅に熱意を燃やしている上記関係者の方がいらっしゃれば、ぜひ私の所まで御連絡頂きたい。
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世代別語尾上げ占有率についての補足：
20歳以上の男女を各々三種類に区分するこの分類方法によれば、現在33歳である私はM1に含まれてしまうことになる。だが男の黄昏憂いのダーティー・サーティーを、20歳やそこらの若造と一緒にされるのは心外というものだ。オヤジ狩りをする方（若造）とされる方（私）を一括りにしているこの大ざっぱなセグメントには、やはり問題があると言わざるを得ない。M3・F3についても同様である。50歳以上を一括りにするのはやはり乱暴すぎるだろう。
しかしM2とF2（35〜49歳）に限っては、統計上の問題はないと考えられる。35〜49歳はいっさいの留保なく上から下まで語尾上げだらけだからである。
